シロアリ駆除剤の安全性
シロアリ防除剤の散布による健康被害の症状は、農薬散布の急性の症状とよく似ているといいます。とくに完全駆除を目指すため、使用薬剤の濃度や使用量はどうしても多くなりがちですから、何らかの被害が出る可能性が否定できないのです。
ですから、シロアリ駆除業者を選ぶ際には、安さよりもその業者の知識、技術を含めた信頼性を最も重要視すべきなのです。
シロアリ防除の殺虫成分や共力剤、有機溶剤等の空気中濃度の毒性データは不明ですから、どのような健康被害がでるかわかりません。実際に毎年40件以上の健康被害が報告されています。
ただ、シロアリ防除剤に含まれる殺虫剤は、専門知識を有する施工業者によって、適正な施工方法に基づいた使用では、特に危険が生じることはありません。しかし、シロアリ防除は法的な資格がなく、十分な知識がなくても、施工が可能な現状では、中途半端な知識しかない業者が行うと危険率が急激に高くなります。国民生活センターでも以下のように業界に呼びかけています。
「シロアリ防除剤による過去の健康被害事例の情報を蓄積し、健康被害の原因を分析し、情報公開するとともに、被害防止に役立ててほしい。多く使用される有機リン系、ピレスロイド系薬剤の中で、比較的蒸気圧が高く、ガス化しやすいもの、使用量に比して健康被害を多く起こす薬剤についてはより安全な施工方法を検討してほしい。実際に防除を行う施工業者の、薬剤に対する知識、散布方法等が、消費者の健康被害の発生に関係する。防除剤メーカーや施工業者の集まりである(社)日本しろあり対策協会は施工業者への教育にもっと力を入れてほしい」と。
優良な駆除業者はこのような呼びかけに真摯に応じ、社員全員の教育に全力で取り組んでいますから、そういった業者を選びましょう。