羽アリとは
羽アリは文字通り、羽のあるアリのことですが、もちろん黒アリにもシロアリにも存在します。
ここでいうのはシロアリの羽アリのことです。羽アリは職アリや兵アリのように働くだけのアリとは違い、生殖能力を持ったアリです。つまり、新しい巣を作るための女王アリ・王アリなのです。
ヤマトシロアリは4~5月に、イエシロアリは6~7月に巣を飛び立ちます。 この飛行は群飛(ぐんぴ)と呼ばれ、数百~数千頭が飛び立ちますが、飛び立つのは巣の中のほんの数パーセントに過ぎません。その巣に住むシロアリの数が増えすぎたために、別な巣をつくるために飛び立つのです。つまり羽アリが飛び立つということは、そこには巨大な巣があり、 木造住宅の場合はかなりの被害が出ている状態です。
群飛後、羽を落とした雌雄はペアとなり、新しい巣を作り、そこで女王と王になります。 女王はひたすら卵を産みます。多いものでは一日に数百個の卵を産み続けるのです。やがて卵から育ったアリは職アリとなり、女王などの世話や巣の構築のため、また自分の食事のために木材をかじるのです。そして、食べ物を探すために土中を移動しながら進んでいきます。木材を食害し、障害物は蟻道を作って乗り越え、やがて家の基礎の内側に蟻道を伸ばして床下などを侵食していきます。