シロアリとはなにか?
家屋にとっては害虫として位置づけられるシロアリ。そもそもシロアリとはなんでしょうか? 私たちが普段「アリ」と呼んでいる黒アリなどは、蜂の仲間であるのに対し、シロアリは朽木などの植物や木材を食べる、じつはゴキブリの仲間なのです。
不完全変態のため、幼虫は成虫とほぼ同じ姿であり、ある程度成長すればニンフという段階を経て生殖虫と呼ばれる羽アリになります。羽アリになると、巣(コロニー)の外へ出て行きますが、その移動範囲はそう遠くない場所になります。
さて、このシロアリは、木を主食とする昆虫で、木の表面には出てこないため私たちは普段目にすることはありません。 しかし、実は地球上で最も数の多い昆虫と言われているのがシロアリです。普段は木の中や土の中にいるため、見かけないだけで、家の中で羽アリをみつけたらその近くにある巣のなかには数万匹のシロアリが生息しています。
巣(コロニー)はその家の床下、土中にあるため、私たちの目に触れることがないのです。シロアリは木の幹に豊富に含まれる「セルロース」を栄養とする生物で、倒木などを土に還すため”森の分解者”とも呼ばれています。このセルロースを食べる昆虫は非常に少ないのですが、人の住む木造住宅にとっては害虫でしかありません。
シロアリにはヤマトシロアリ、イエシロアリのような下等シロアリとキノコシロアリのような沖縄以南に分布する高等シロアリがいますが、家屋に被害を与えるのは下等シロアリのほうです。木材や、紙類以外にも、場合によってはコンクリートやプラスチック、動物の死骸なども食べることがあります。
これらのシロアリは水分がないと生きていけないので、じめじめしたところを好みますから、湿気のあるところに注意しなければなりません。素人では発見するのは極めて難しく、信頼できるプロに調査を依頼するほうが良いでしょう。