猛威を振るう外来種シロアリ

日本においてシロアリといえば、ヤマトシロアリです。それは湿気を好み、ジメッとした床下から、家屋の柱を徐々に蝕んでいく害虫です。

日本の代表的なヤマトシロアリは適度な水分がないと生きていけず、柱の中を上へと進むには自分たちを乾燥から守るための蟻道(ぎどう)と呼ばれる土でできたトンネルを木の表面に作り、その中を食い進んでいくのが一般的なシロアリの被害でした。ところが、蟻道を作らず空中を飛び、いきなり家屋の二階からでも入り込み、水分が無く乾いた柱を食べるシロアリがいるのです。それが、現在日本で猛威を振るっている外来種のアメリカカンザイシロアリです。

もともと日本にいなかったアメリカカンザイシロアリは、アメリカのカリフォルニア州を中心に繁殖していた種でしたが、現在では輸入材木などにくっついて世界中に広がっています。ヨーロッパでは、アメリカカンザイシロアリへの予防をしないと木造の輸入住宅を建ててはいけないという規則があるくらい、深刻な被害をだしています。

このアメリカカンザイシロアリは輸入木材だけでなく、家具などにも隠れていたりします。今から40年以上前、日本において最初に発見されたアメリカカンザイシロアリは輸入家具に潜んでいたものではないかと言われています。

ただ、このシロアリは温暖な気候を好むので、日本でのアメリカカンザイシロアリの被害は、比較的暖かい関東以西のものと言われていましたが、いまの住宅は気密・断熱性がともに良く、寒冷地でもアメリカカンザイシロアリが繁殖できるケースが増えています。

ヤマトシロアリと違い、いきなり窓から飛び込んでくることも実際にあり、いきなり二階の柱や家具、屋根裏が被害にあう場合があるのです。
輸入材木や家具を使用されている方は、必ず信頼できるシロアリ駆除の専門家にみてもらうべきでしょう。

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