自由の女神がシロアリに食われる?
シロアリってなにを食べるのでしょうか?
シロアリは家の木の柱を食べるもの、というのが一般的な方の知識だと思います。確かに、シロアリの栄養源は、木材や紙に含まれるセルロースなので、ゴムやプラスチックなどは基本的には食べません。
ですが木材由来の製品であれば、なんでも食べます。ですから木材以外に、紙製品、本や新聞紙の束の中からシロアリが見つかった例はたくさんあります。
図書館の周りでは必ずシロアリ対策の防蟻処理をしています。じつは自由の女神もシロアリに狙われているのです。アメリカの自由の女神の足元には貴重な蔵書を保管する書庫があります。そのなかの書物がシロアリ被害に会わないように徹底した防蟻処理がなされているのは有名な話です。
しかし木材以外なら安心かというと決してそんなことはありません。シロアリが土の中や木材にトンネル(蟻道と言います)を掘って餌となる木材にたどり着くまでに、障害物を噛み破って進んでいくのです。つまり、木ではないコンクリート、ケーブルやプラスチックでも穴があけられてしまうことがあるのです。
信じがたいことですが、中国ではシロアリに保管しておいた銀を食べられたという話が文献で伝わっています。倉庫にあった銀が無くなっている。その近くにシロアリの巣があったので、駆除のためシロアリを焼いたら、そのあとに銀の塊が残ったというのです。
ですから鉄筋だから大丈夫とか、コンクリートだから安心ということは、ないのです。また、室内に侵入されれば、中には木の家具や紙でできたものがあります。シロアリの侵入を防ぐためにも一度はプロの判断を仰ぐことは必須だと考えます。